「愛していると… 坊ちゃんサイド」
「愛してるよ、フェイ」
それは知ってるよ、シード。
でも、偶然聞いてしまったんだ。
貴方の、その言葉を。
「愛してるから、ウェッジvv」
貴方が、貴方の副官に向かって言っていた。
ただ、その言葉を聞いただけで居たたまれなくなって、前後のことを聞かずに立ち去った。
次に会って数日後。
「マジ? 愛してるクルガン!」
貴方の相棒のクルガンさんに抱きついて言っていた。
…悲しくなって、すぐにその場を離れた。
これだけ聞いていると、他の誰にどれだけ言っているのか分からない。
そう思うと、貴方の「愛してる」がとても軽い言葉に聞こえてくる。
僕に言うときには、言い方が違うと分かってはいるけれど。
それでも、他の誰にも「愛してる」なんて言って欲しくない。
大切な言葉だから、本気の時だけ言って欲しい。
本当に愛してる人にだけ、言って欲しい。
…でも、シードにはそんなこと言えない。
僕は、シードのこと好きなのに、僕が「愛してる」って言われなくなるのが怖いから。
だから、我侭は言わない。
…でも、気付いて欲しいな。
本当に、シードのことを愛しているから。
僕には、シードだけだから。
(了)
対になってるシードさんのお話→
我が最愛の宥人しゃんから頂いたのですvv
わざわざありがとうございますvv
はう、坊ちゃん……(以下、フェイさんへのお手紙ちっくなので反転)
自分に向けられたその言葉の比率が目に見えるわけじゃないから、
どれだけの重さで言って貰えてるのかわかんないよね?
その言葉自体は多分重いもの。
シードさんに言って貰えるだけで付加価値がつくような(ああ例えが違う…)。
だから本とは物凄く勿体無い事なんだから、
そんなわがまま考えてもいけない事なんだけどでも淋しいんだよね?
俺とフェイくんは多分ある1点が違うから君には当てはまらないと思うけど、
もし自分の未来の勇気を前借りして愛してる人だけに言って?って言ったとしたら、
言って貰えなくなっちゃうんだろうね。
自分の立場ちゃんとわかっててもきっと悲しくて泣いちゃうんだろうな。
やっぱり俺もそれが怖くて動きません。
というかそれを思い至る前の、素直に言われて喜んでた自分が可愛いと思うよね(遠い目)
「浮気するシードなんか大っ嫌いだあ!」って言って拗ねれるような人間だったらもうちょっと楽だったのかな……
でもきっとそれはそれで本気ではないにしろ「嫌い」を向けちゃうんだから駄目なんだろうな。難しいね。