「さん」
「・・・・・・さん」
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ほんとに。 ほんとに私にどうしろって言う訳!!!!!!!!
私はかなりブチ切れていた。
終わらない作業にいらつきながらキーを押す。
金曜日の夜。 この日はたいてい練習帰りの英士がうちに来る。 幼馴染だし、こういう状態の私を宥められるのは昔から英士くらいだったし。
・・・・・・ていうか彼氏だし。
机のパソコンに向かって怒気を発している部屋に、英士はなんのためらいもなく入ってきて。 雑誌を読んでると思えば、気がついたらうちの親に言って夜食やらコーヒーやら持ってくるし。 それにもいらついて英士にあたってる自分がイヤ。
・・・・・・あー。
あーあ。 昔はかわいかったのに。 気がついたらかわいくなくなっててさ。 なんか男の顔になってて。
なーんで年下にあたってるんだか。 いや2つやそこらだけど。 英士がうちに来たときから私はこの調子だから、なんでこんなに私が機嫌悪いのかも知らない。 なのに気にしてないとか言うし。
「・・・・・・」 ひとつため息をつく。
机から離れて下に座った。ベットを背にしている英士と向かい合う形になる。
英士はずっと黙って聞いてる。 英士は、私が同意を求めてるわけじゃないのをわかってる。 ほんとに、ただ聞いて欲しいだけだってことを。
ちょっと気が済んだから、じっと英士の顔を見つめた。
「・・・なに?」
あっさりと肯定されてがくりと肩から力が抜ける。 「なんか、疲れたなー・・・」
どうしようかな。 もうそろそろ終わりそうではあるんだけど。
机の上のパソコンと英士を見比べた。
あ、そうだ。
私はにっこりと笑顔を浮かべた。
「じゃあ、30分くらい寝ようかな」
ごろりと横になって英士の膝の上に頭をのせた。 ひざまくら。 私の突然の行動に珍しいくらいの動揺をみせる英士。 英士の膝の上から見上げながら聞く。
案の定黙ってしまう英士。 「30分くらいたったら起こしてね」 そうして私は眠りに入っていく。
「・・・・・・これって生殺しって言わない・・・?」
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5,000HITスルーリク、英士夢でした。麻生葛葉さまへ捧げます。 スルーリク頂くなんて図々しかったのですが、
私の書く英士はこんなもんです、ええ。
麻生さまの書くような英士のようにかっこよくはなりません・・・情けない・・・!
それ以前にこの英士は前に手を出して痛い目にあってるみたいですね!
こんなものを送りつけてすみません!!!!(返品可)
UP
DATE: 4.25.2002
素敵な英士さんをありがとうございましたvv
気遣ってくれる所がすごく優しくて焦ってる辺りが可愛いですvv