In the inside when continuing forever

 

 

 

 

柔らかな光が石畳を照らしていた。
花壇に植えられている草木は鮮やかに咲き乱れ、
木々は陽の光を浴びて、一際輝いている。
風は静かに流れ、暖かな空気と共に僕の身体を包む。

こんなに天気の良い日は豪く久し振りだった。
いつもの様に、この庭で一番大きな樹に登り、幹に寄り掛かり本を読んでいた。
背に樹の温もりを感じて、こうして居るのが僕は好きだった。
この場所が、今の僕の定位置。

デュナン統一戦争が終幕して、一体どれだけの時が流れたのだろう。
僕には、時の流れはまったく関係無い。
故に、考える事も、全然無いに等しかった。
けれど
ふと、そんな事を思った。
と同時に、昔の事を思い出していた。

 

全ての件に決着がつき、僕は彼と共にレックナート様の元を離れた。
人里離れたこの森の奥に二人で家を建てて暮らす事にした。
時の流れから外れてしまった僕らには、この場所が合っていると考えて…。
そして…僕以外の人との関わりを、彼が大きく拒んだのも一つの理由だった。

彼の名はショウ・マクドール。
太陽暦453年に勃発した門の紋章戦争で、
解放軍のリーダーをしていた、英雄と呼ばれる少年…。
右手には呪われし真の紋章…生と死を司る紋章を宿していた。
その紋章を宿していたが為に、彼は大切な人を沢山失った。
毎晩の様に涙を流し、それでも皆の前では明るく振舞っていた彼を、
見ていられなくなり、僕は常に彼の傍に居る様になった。

そして
―――――――

 



今は……
誰にも邪魔される事もなく…
ただ、二人だけの空間で…
二人だけの時間を…刻んでいる…。

 

 

 

「          」

声が
――――――

聞こえる
――――――


僕を呼んでる…

何処か幼さを帯びた声を…

静かな風が運んでくれる……。


心地よい響き
―――――

 

 

ふと、声の聞こえる方に目を見やると
彼が玄関から走って来るのが見える。
僕の視線に気付くと、嬉しそうな笑みを浮かべて走ってくる。
そんな彼を、愛しく想う…
意地でも言ってやる気は無いけれど…。

そんな事を考えている間に彼が樹の直ぐ傍に…
が、上を見ながら走っていた所為か、何もない所で転んで…
「…………何やってるんだか…」
転移魔法で彼の傍に行き、小さく呟き手を差し出す。
すると彼は、悪戯な笑みを浮かべ、僕の手を思いきり引っ張る。
案の定、僕はバランスを崩して彼の上に堕ちてしまう。
「…………まったく…」
少し怒ってやろうかとも思ったけれど、
全然悪びれていない様な彼の笑顔を見るとその気も失せてしまう。
それどころか、自然と笑みが零れて

 

彼の片手が僕の頬に触れてくる。
少し冷たい…けれど温かな剥き出しの右手…。
その手を包み、静かに口付ける。
風に乗って、甘い香りが鼻を突く。
吐息が心地よく耳に残る…。
力の抜けかかってる彼の耳元に唇を落とし、小さく呟いてやる…。


二度と放さないからね…覚悟しなよ?



愛してる
――――――

 

暖かな光が射すこの庭で――――

毎日の様に繰り返される情事
―――

誰にも悟れる事も無く
―――――

静かに時は流れゆく
――――――

遥か昔に交わした約束の元に
―――――

永遠に近いこの時の中
―――――



ずっと君の傍に
―――――



変わる事なく
――――

君を愛すよ
――――


今も
――

これからも
―――

ずっと君だけを
――――


end

 

 

 

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